SANSAMP ACOUSTIC DI

ベースは持ってるけど、アンプは持ってない。持ったことがない。なんというか、「電気製品としての楽器」はあまり興味がなかったりしていた。アンプはスタジオだったりライブハウスだったりのものを借りてばかりだった。

来週演奏をするのだが、場所がホテルの宴会場なので設備が殆どない。PAはあるらしいが、アンプがないという。普通のひとならアンプを持参するのだろうけれど、僕は持っていないので、このままと演奏ができない。いや、してもいいけど、弾いている僕も聴いている人たちにも聴こえない。

いつもだと無いものはどこかから借りる、というのが普段の発想なのだけれども、いつも借りれるとも限らない。そこで今回は、機材を買ってみようと思ったのだった。

とはいえ、アンプを買うのは面倒である。買って持ち帰るのも配送してもらうのも面倒だし、そもそも置き場がない。僕の部屋で楽器に割けるスペースは、既にサイレントベースを置くだけで埋まってしまっている。しかも普段使うわけにもいかず、「演奏する場所にアンプがない」という状況だけでしか使い道がないモノを買うのは、どうにも抵抗がある。

ということで楽器屋をさまよい、こんなものを買った。

SANSAMP ACOUSTIC DI
http://www.itogakki.co.jp/musicbank/netshop/ef/aps/san_ag.html

DIとはなにか。以下wikipediaからの引用。

ダイレクトボックス とは、電気/電子楽器の出力を直接ミキサーに接続するために用いる変換器である。DI (Direct Injection)あるいはダイレクト・インジェクション・ボックスと呼ぶ場合もある。


これがあれば、アンプがなくても、ミキサーに出力ができる。というか、普通のライブでもベースはアンプからライン録りすることがほとんどなので、極端にいえば、DIさえあればライブが可能である。

sansampは単なるDIではなく、どちらかというとアンプシュミレーターの色が強い。

同じようにSANSAMP BASS DRIVER DIなるものがあって、そっちのほうが圧倒的に有名だったりする。ただしこれはエレキベースを、しかも歪ませる用途で用いることが想定されたアンプシュミレーターなので、僕みたいにコントラバスの音を作りたいひとには、向かない。

これを探していたわけではなく、単なるDIを買おうかと考えていた。しかし楽器屋のケースのはじっこにこいつが座っているのを見てしまい、高校生のころ、タメのベース弾きがsansampを愛用していたのを思いだし、あのとき思った「いいなー」という気持ちを思いだしてしまったのだった。

実はもう生産終了している製品なので、今日これが買えたのは単なる偶然、おおげさに言えば奇跡でしかない。普段の買いものは石橋を叩くほうなのだけれど、たまにはこういう買いものもいいもんだな。